地方創生大全 木下斉 東洋経済新報社

引用①
今の地域に必要なのは、限られた一部の人たちに熱烈に支持される、突出したコンテンツを用意するとこです。…これまでの「10万人が1000円使うような観光」を、「1000人が10万円使うような観光」に変えていくことが、小さな地域にとって現実的な、観光産業の高生産性化施策になるわけです。

引用②
従来のように、「予算の力」で進める「内輪受けの商品開発」と、身勝手な取引を要求することばかりが先行する方法では、地方を活性化するどころか、地方の信用をなくしかねません。これからは営業が先を走り、市場と向き合いながら確実に改善を繰り返して販売数を増加させていく、地方の繁栄につながる特産品開発が求められています。

引用③
現場それぞれで自らの取り組みを資料にまとめたり、視察見学を有料化するという工夫をし、自分たちが経験から得た知識にしっかりと価格をつける。情報をもらう側も、取り組みのノウハウとなる資料や施設見学をちゃんと購入する。先行する地域の人たちの努力に敬意を払い、「お礼」の形で対価を払うわけです。

引用④
地域活性化においては、責任をとらない100人の意見を集めるより、行動する1人の覚悟の方が尊いのです。小さなチームが自ら取り組みを始めるときには、いちいち合意形成などというものは気にせず、「衰退を引き起こしている問題の解決に必要なトライ・アンド・エラーを、どんどんやってみよう」という状況に地域を持って行くことが大切です。…取り組みを始めた段階で得られる情報では、「そもそも正確な計画など立てられない」と、最初から諦めることが大切です。取り組みを進めていく中で得られた情報をもとにして、執行する規模や内容をどんどん変更していくべきです。二宮尊徳が残した「積少為大」という言葉…小さなものが積もり積もって大きくなる。大いなるものが小さくなるものを生むのではない。ものごとの順序を取り違えれば、必ずおかしくなる

小さな地域でもできることがあること、発展する可能性が十分にあることを感じ、胸が熱くなった。小さな取り組みを積み重ねて行くことが大切だという発想は、自分にはしっくりくる。