スポーツをすること

バイトの男の子に、以前、取材した大学運動部の脱体育会系の取り組みの話をした。
その子も大学ラグビー部に入っていて、取材したラグビー部の話は有名だったし知っていた。

練習の辛さをどう受け止めるかみたいな話をした。
好きで始めたスポーツなのに、練習は辛いし、試合で勝つためのプレッシャーには耐え難いものがある。

脱体育会系っていうのは、楽しむことでパフォーマンスが上がるって考え方。
なかなかそれを実践するのは難しい。
練習の辛さを否定することはできないし、自分でも必要なものだって思ってしまう。
辛さに耐えることで生まれる自信とか、結果に結び付くこともあるから、辛さを楽しさに転換するってことに、うまく実感できない。

でも、勝つことを忘れて、結果を出すことを忘れて、目の前の練習にだけ集中できたら、仲間やコーチのことも忘れてしまうほど、自分で納得して練習に取り組む。隣を見たら、みんなもそうしていて、練習が終わると清々しい顔をしている。そんな学生生活を送りたかったなと思った。

結果や成績を人と比べず、その時その時の自分のパフォーマンスにだけ集中して、終わってから自分ので状態を振り帰って見つめる。

運動能力には、素質が関わってくるから、人との優劣が明確に現れやすい。そこじゃなくて、自分の限界が広がる体験をささやかに喜んでスポーツに打ち込めたら幸せだと思う。そんな幸せをすべてではなく、ほんの少しだけでも共有できる仲間付き合いがあればいい。