転職の思考法

という本を読んでいる。転職するに当たってのいろいろな考え方は本当に勉強になった。読んでいて感じた違和感は、前半が自分の市場価値を知るということで、後半が仕事の楽しさとはなにかということだったのだけど、本では前半の部分をしっかり考えて、後半は後付けという感じだった。

僕にとって重要なのは、仕事の楽しさについて。伸びている市場に身を置けというのが、全体を通して重要なこととされていたのだけれど、僕にとって重要だと感じていちばん納得がいったのは仕事の楽しさについてのくだり。僕のやりたい仕事というのは、伸びている市場とは言いがたい分野のような気がする。ただ目をつけている人が少ないからこそ、自分にも活躍の余地が大きいのではと感じる分野。

そんな分野で生きていく力が身につくのだろうか。この〝生きていく力を身につける〟というのも全体を通して語られたテーマだったと思う。仕事はお金を稼ぐためのものと考えれば、伸びている市場に目を向けることが重要だというのは理解できる。

そういえば判断の軸を作るということも語られていた。軸があれば、決断できる。その軸が市場価値であり、仕事の楽しさ・やりがいであることだという。どちらも必要ということなのだろうか。

1%田園回帰戦略という考えを最近知った。それは過疎地域で、人口減少を食い止めるために必要な最小限のポイントに、限られた人材や資産を投入することで効果を最大化すること。それは決して伸びる市場価値が存在する場所ではないけれど、やりがいはある。

適度な規模感を僕は求めている。それは起業するということなのか。でもそんな大それたことはきっとできない。この1か月くらい仕事がうまくいかないっていうだけで、僕の心はボロボロに疲弊してしまった。起業なんていうプレッシャーに耐えられるほどのメンタルの強さは僕にはない。

僕にとって規模感は大事なポイントだと思う。今は小さいけれど、将来的には伸びる市場を探せってことも書かれていたけれど、大きくなることを僕は望んでいるのか。伸びるという言葉に、行き過ぎた資本主義といったイメージをもってしまう。

成長すること葉環境に付加をかけているのではないか。だからこれからもとめるべきは適度な成長と環境との共存ではないかと考えてします。そんな考えと、伸びる市場という思想が克ち合ってしまう。

そんな部分がピンと来ない。でも生きていく力を身に着けるためには、伸びる市場という考えが必要なのかもしれない。でも 伸びる市場 と言ってもバリバリ仕事をするということではないかもしれない。モノをどんどん生産するということではないかもしれない。モノではなく形のないサービスを生み出す。資源を消費するのではなく、消費しなくても満足感を得られるサービス。そうしたサービスを生み出してお金を得るためには、モノを買うという以外の所得の生み出し方があるのかもしれない。

昨日、前の現場の先輩と会って話したけれど、今の現代人は 答えはネットで手に入れてしまう。だからテレビに求めているのは、熱い情熱を呼び起こすものであったり、心が揺さぶられる衝動だったりするんだって話をしていた。答えとか結果が欲しいのではなく、満足感とか高揚感とか、やっぱりモノではなく心を満たすサービスが欲しい時代なのかもしれない。そんなサービスを生み出す仕事、それによって利益を得られる仕事、その利益が伸びる市場を探せっていうことなのかな。